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カフェ開業に必要な資格は2つ|食品衛生責任者の講習料を都道府県別に比較、許可・届出の順番と費用

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カフェを開くときに法令で求められる資格は、食品衛生責任者と、建物全体の収容人員が30人以上の場合の防火管理者の2つです。そのうえで、保健所の飲食店営業許可を受け、消防署と税務署に届け出ます。コーヒーソムリエやバリスタといったコーヒーの民間資格は、これらの要件のどこにも出てきません。

この記事では、食品衛生責任者の養成講習会の受講料を、47都道府県の食品衛生協会などの案内で編集部が調べました(2026年10月24日確認)。あわせて、許可と届出の順番と、東京都で開業する場合に資格と許可だけで最低いくらかかるかを試算しています。

この記事でわかること
  • カフェ開業に必要な2つの資格と、取り方
  • 食品衛生責任者の講習料の都道府県別一覧(編集部調べ)
  • 資格のほかに要る許可と届出、出す順番
  • 東京都で開業する場合の最低費用(編集部の試算)
  • コーヒーの資格を開業前に取る意味
目次

カフェ開業に必要な資格は食品衛生責任者と防火管理者の2つ

小さなカフェでも必ず要るのは食品衛生責任者で、防火管理者は店の入る建物の規模によって必要になります。どちらも講習を受けて取る資格です。

資格必要になる店取り方根拠
食品衛生責任者すべての店(施設ごとに置く)約6時間の養成講習会。調理師・栄養士などは講習が不要食品衛生法施行規則 別表第17
防火管理者建物全体の収容人員が30人以上甲種は約10時間、乙種は約5時間の講習消防法第8条、同施行令

食品衛生責任者:店ごとに置く。約6時間の講習で取れる

食品衛生法施行規則は、営業者に食品衛生責任者を定めるよう求めています。東京都北区の案内では、施設ごとに自分が食品衛生責任者になるか、従業員の中から選ぶことになっていて、複数の店の兼任はできません。オーナー本人でなくてもかまいませんが、1店舗に1人は置くと考えておきます。

調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士、船舶料理士などの資格を持つ人は、講習を受けずに食品衛生責任者になれます(東京都保健医療局)。それ以外の人は、各都道府県の食品衛生協会などが開く養成講習会を受けます。厚生労働省の通知が示す標準の内容は、食品衛生学2.5時間・食品衛生法3時間・公衆衛生学0.5時間と確認試験で、計6時間程度です。

修了した資格に有効期限や更新の制度はありません。ただし、許可を受けた店の食品衛生責任者は、講習会を定期的に受けて新しい知識を身につけるよう努めることとされています。東京都の案内では、平成9年4月1日以降の修了証は全国どこでも有効です。

防火管理者:建物全体の収容人員が30人以上なら必要

飲食店は、消防法で防火管理が求められる用途に入ります。東京消防庁の案内では、防火対象物全体の収容人員が30人以上なら防火管理者が必要で、建物の所有者とすべてのテナントが選ぶことになっています。判定は店の席数ではなく建物全体なので、10席のカフェでも、大きなビルに入るなら必要になることがあります。

飲食店の収容人員は、従業員の数と固定いすの席数に、その他の部分の床面積を3㎡で割った数を足して数えます(消防法施行規則)。建物の延べ面積が300㎡未満なら、乙種の講習の修了者でかまいません。講習は甲種がおおむね10時間、乙種がおおむね5時間で、費用は東京消防庁が教材費の甲種相当(防火・防災管理新規講習)7,000円・乙種2,500円、日本防火・防災協会が甲種8,000円・乙種7,000円です。

コーヒーの民間資格は、開業の要件に出てこない

飲食店営業の許可申請書に書く人の資格は、食品衛生管理者か食品衛生責任者の氏名・資格の種類・受けた講習会だけです(食品衛生法施行規則第67条)。消防・税務・深夜酒類の届出の要件にも、コーヒーの民間資格は出てきません。

国の資料で名前が出てくる資格は、むしろ調理師です。厚生労働省の通知は、飲食店営業では食品衛生責任者に調理師を選ぶよう努めることを指導するよう、自治体に求めています。コーヒーの資格を開業前に取る意味は、後の章で整理します。

食品衛生責任者の講習料を都道府県別に比べた(編集部調べ)

養成講習会の受講料は、都道府県の協会ごとに決まっていて、全国一律ではありません。編集部で各協会や自治体の案内を確かめたところ、会場で受ける講習(一般料金)は確認できた39都道府県で7,000円〜13,000円、eラーニングは42都道府県で10,000円〜13,200円でした。

都道府県会場(一般)eラーニング
北海道地域の協会ごと10,000円
青森県10,000円10,000円
岩手県10,000円10,000円
宮城県10,000円11,000円
秋田県12,000円確認できず
山形県10,000円12,100円
福島県11,000円11,000円
茨城県12,000円12,000円
栃木県確認できず確認できず
群馬県12,000円12,000円
埼玉県12,000円12,000円
千葉県支所ごと12,000円
東京都確認できず確認できず
神奈川県12,100円12,100円
新潟県12,000円12,000円
富山県10,000円10,000円
石川県10,600円10,000円
福井県13,000円10,000円
山梨県12,000円12,000円
長野県9,000円10,000円
岐阜県10,000円10,000円
静岡県11,000円10,000円
愛知県7,000円11,000円
三重県11,000円13,000円
滋賀県10,000円10,000円
京都府11,000円10,000円
大阪府10,500円確認できず
兵庫県地域の協会ごと12,000円
奈良県10,000円10,000円
和歌山県12,000円12,000円
鳥取県10,000円10,000円
島根県10,500円10,000円
岡山県9,100円10,300円
広島県8,000円12,000円
山口県地域の協会ごと12,000円
徳島県7,000円10,000円
香川県12,000円13,200円
愛媛県7,000円10,000円
高知県確認できず12,100円
福岡県10,000円10,000円
佐賀県12,000円13,200円
長崎県確認できず確認できず
熊本県13,000円13,000円
大分県10,000円10,000円
宮崎県10,000円10,000円
鹿児島県10,000円10,000円
沖縄県8,250円10,000円
出典:各都道府県の食品衛生協会の案内(秋田は秋田市、大阪は堺市の公式ページ)。2026年10月24日確認。会場は協会に入っていない人の一般料金で、テキスト代やプレート代を含むかは協会ごとに違う。「確認できず」は協会のサイトに接続できない・メンテナンス中・記載がないもの。政令市には県と別の協会があり、料金が違うことがある

会場の一般料金で一番多いのは10,000円(13県)で、次が12,000円(9県)でした。安いのは愛知・徳島・愛媛の7,000円、高いのは福井・熊本の13,000円です。eラーニングは、半数の21県が10,000円でした。

意外だったのは、会場とeラーニングの両方の料金がわかった37都道府県のうち、12県では会場のほうが安かったことです。愛知は会場7,000円に対してeラーニング11,000円、広島は8,000円に対して12,000円でした。同じ料金は20県、eラーニングのほうが安いのは石川・福井・静岡・京都・島根の5県です。時間を取れるなら、自分の県の会場の日程を先に見ておくと、数千円の差が出ることがあります。

料金は変わります。富山は令和7年8月から6,500円が10,000円に、群馬は令和7年度に10,000円が12,000円に上がり、広島は令和9年4月から会場11,000円・eラーニング14,000円にすると告知しています。協会の会員になると安くなる県もあり、青森と岩手は一般10,000円に対して会員5,000円です。申し込む前に、自分の県の協会の案内で最新の金額を確かめてください。

eラーニングの窓口は全都道府県にある

日本食品衛生協会のeラーニングの案内には、申し込み先として47都道府県すべての協会と、札幌市・横浜市などの政令市の協会が載っています。受講すると「食品衛生責任者ハンドブック」が送られてくる、と各協会が案内しています。ただし、奈良や岡山のように、県内に住んでいるか勤めている人に限る協会もあります。

資格のほかに要る許可と届出

資格を取っただけでは店は開けません。保健所の許可と、消防署・税務署への届出が要ります。条件によって、焙煎豆の販売や深夜のお酒の提供に別の手続きが加わります。

手続き窓口いつまでに必要な店
飲食店営業許可保健所東京都:工事完成予定日の10日くらい前に申請すべて
防火対象物工事等計画届消防署東京都:工事に着手する7日前まで内装工事をする店
防火対象物使用開始届消防署東京都:使用開始の7日前まですべて
防火管理者の選任届消防署選任したら遅滞なく建物全体の収容人員が30人以上
営業届出(コーヒー製造・加工業)保健所営業を始める前店で焙煎した豆を売る
深夜酒類提供飲食店営業の届出警察署開始の10日前まで午前0〜6時に主にお酒を出す
個人事業の開業届税務署開業した年分の確定申告期限まで個人で開業
青色申告承認申請書税務署1月16日以後の開業なら開業日から2か月以内青色申告をする人
出典:食品衛生法、東京都保健医療局、東京消防庁、消防法、厚生労働省、風営法施行規則、国税庁。期限は東京都の例で、ほかの自治体では違うことがある

飲食店営業許可:「喫茶店営業」は2021年6月から飲食店営業に統合

以前はコーヒーや茶菓だけを出す店向けに「喫茶店営業」の許可がありましたが、2021年6月の食品衛生法の改正で飲食店営業に統合されました(厚生労働省・東京都)。今は、カフェも喫茶店もコーヒースタンドも、同じ飲食店営業の許可を受けます。

新規の申請手数料は自治体の条例で決まっていて、東京都の特別区(23区)は18,300円、都の保健所が受け持つ多摩地域などは令和8年4月から18,000円です。大阪市と名古屋市は16,000円、福岡市は16,600円でした。許可の有効期間は、法律で「5年を下らない」範囲で自治体が決めます。岡崎市では、設備の項目をいくつ満たすかで5〜8年になります。

設備の基準でよく聞くのが「シンクは2槽必要」という話ですが、国の基準と東京都の条例の文言は「使用目的に応じた大きさ及び数の洗浄設備」で、2槽という数は書かれていません。東京都のリーフレットは、食材用と洗浄用などで使い分けるよう求めています。手洗い設備は、調理場とトイレの両方に必要です。区や市の条例で運用が違うことがあるので、物件を決める前に図面を持って保健所に相談するのが確実です。

コーヒースタンドの開業に必要な許可は、次の記事でも整理しています。

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コーヒースタンドとは?カフェ・喫茶店との違いと開業に必要な許可 駅の構内やオフィス街の一角で見かける、カウンターだけの小さなコーヒー店。「コーヒースタンド」と呼ばれるこの業態は、この10年ほどで街の風景にすっかり定着しまし...

焼き菓子を持ち帰りで売るとき:店で出すケーキなら追加の許可は要らない

厚生労働省のQ&Aでは、飲食店営業の許可を持つ喫茶店が、店で出しているケーキを短期間で食べられる前提で持ち帰り用に売る場合、ほかの営業許可は要らないとしています。東京都も、店で作ったケーキを包装して売るのは持ち帰りの範囲内なら菓子製造業の許可は不要、と案内しています。

一方で、徳島保健所は、インターネット販売や宅配業者を通して売る場合は製造業の許可が必要になると書いています。焼き菓子を日持ちさせて通販や卸で売るつもりなら、最初から保健所に伝えて相談しておきましょう。菓子製造業の新規手数料は、特別区で16,800円です。

コーヒー豆を焙煎して売るとき:保健所への営業届出が要る

生豆を焙煎して売るのは、許可ではなく営業届出の業種「コーヒー製造・加工業」に当たります(厚生労働省通知)。飲食店営業の許可を持つ店でも、届出の対象になる営業をするなら、許可とは別に届出が必要です。焙煎した豆を密封して包装しても、密封包装食品製造業の許可は要りません(食品衛生法施行規則)。焙煎と販売の手続きは、次の記事で詳しく書いています。

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焙煎士に資格は必要?販売に要る届出と独学で学ぶ方法を解説 焙煎士に必須の資格はありません。ただし焙煎した豆を販売するなら営業の届出と食品衛生責任者が必要です。関連資格の一覧と、独学で焙煎を学ぶ進め方を解説します。

深夜0時以降にお酒を出すとき:警察署への届出

午前0時から6時までの間に、バーのように主にお酒を出して営業するなら、開始の10日前までに警察署へ深夜酒類提供飲食店営業の届出を出します(風営法施行規則第103条)。0時までに閉めるカフェや、ふだんから主食になる食事を出している店は対象外です。

開業届の期限は「開業した年分の確定申告期限まで」

個人で開業するなら、税務署に個人事業の開業届を出します。開業届は「開業から1か月以内」と書かれた解説もありますが、2026年10月に確認した国税庁の案内と所得税法の条文では、提出期限は開業した年分の確定申告期限までです。従業員を雇うときに出す給与支払事務所等の開設届は、今も開設から1か月以内です。

青色申告をするなら、1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内に青色申告承認申請書を出します。期限を過ぎると、その年分は青色申告にできない点に注意してください。

カフェを開くまでの順番:物件を決める前に保健所へ相談する

手続きの順番を間違えると、内装を作り直すことになりかねません。東京都と大阪市の案内をもとに、開店までの流れを並べました。

時期やること
物件を決める前店の図面を持って保健所に相談する(大阪市は工事前の相談をすすめている)。ビルに入るなら、建物全体の収容人員と防火管理者の要否も確かめる
工事の前工事に着手する7日前までに、消防署へ工事等計画届(東京都)
工事中食品衛生責任者の講習を受ける。必要なら防火管理者の講習も
工事完成の10日くらい前保健所に飲食店営業許可を申請する(東京都。大阪市はオープン予定日の2〜3週間前)。食品衛生責任者の資格を証明するものを添える
使用開始の7日前まで消防署へ使用開始届(東京都)。防火管理者が必要なら選任届も出す
許可が出たら開店。焙煎豆を売るなら営業届出も済ませておく
開店後開業届は確定申告期限まで。青色申告をするなら承認申請は開業日から2か月以内
出典:東京都保健医療局、大阪市、東京消防庁、国税庁。日数は東京都・大阪市の案内の目安

会場の講習は日程が協会ごとに決まっています。物件探しと並行して早めに受けておくと、許可の申請のときに慌てずに済みます。

カフェ開業の資格と許可にかかる費用(東京都の例・編集部試算)

東京都で小さなカフェを開く場合に、資格と許可だけで最低いくらかかるかを、確認できた手数料と受講料で計算しました。内装・設備・物件の保証金は含みません。

ケース内訳合計
23区・資格を持つ人がいない・防火管理者は不要飲食店営業許可18,300円+食品衛生責任者の講習12,000円30,300円
上に加えて防火管理者が必要(乙種)30,300円+東京消防庁の乙種講習の教材費2,500円32,800円
多摩地域など(都の保健所の管轄)飲食店営業許可18,000円+講習12,000円30,000円
講習の12,000円は、東京都食品衛生協会のサイトが確認時(2026年10月24日)にメンテナンス中だったため、2026年4月時点の案内の金額(受講料10,000円+教材費等2,000円)。開業届・使用開始届・深夜酒類の届出は、確認した公式ページに手数料の記載がない

調理師や栄養士などの資格を持つ人が食品衛生責任者になれば、講習代はかからず、許可の手数料だけで済みます。どのケースでも資格と許可のお金は3万円台で、開業資金の大部分は物件と内装・設備にかかります。資格の費用を理由に開業を迷う必要はない、というのが編集部の見方です。

コーヒーの資格は開業前に取るべき?

コーヒーの資格を紹介しているサイトとして正直に書くと、カフェを開くためにコーヒーの資格は要りません。取る意味があるのは、法律の要件のためではなく、店の中身を固めるためです。

豆の産地や焙煎、抽出の理屈を体系的に学んでおくと、メニューの組み立てや、客に豆を説明するときに役立ちます。在宅で受けられるものなら、コーヒーソムリエ(受験料10,000円)やカフェオーナー経営士(受験料10,000円)があり、カフェオーナー経営士はコーヒーの知識に経営の知識を足した資格です。費用は、食品衛生責任者の講習と同じくらいです。

カフェオーナー経営士の試験内容と、独学で取れるかどうかは次の記事で解説しています。

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ほかのコーヒーの資格の費用と難易度は、コーヒー資格おすすめ10選で比べています。

カフェ開業の資格に関するよくある質問

カフェ開業の資格について、検索されることの多い疑問に答えます。

食品衛生責任者は、オーナー本人が取らないといけない?

本人でなくてもかまいません。東京都北区の案内では、施設ごとに自分が食品衛生責任者になるか、従業員の中から選ぶことになっています。ただし、複数の店の兼任はできないので、2店舗目を出すときはその店の食品衛生責任者が別に要ります。

講習の確認試験に落ちることはある?

標準の講習には、理解度を確かめるための確認試験が入っています。厚生労働省の通知では、講義の理解度や知識の定着を確かめるための試験と位置づけられています。落ちたときに修了できないかどうかは通知に書かれておらず、協会ごとの運用です。

カフェと喫茶店で、必要な許可は違う?

違いません。2021年6月に喫茶店営業が飲食店営業に統合されたので、カフェも喫茶店もコーヒースタンドも、飲食店営業の許可を受けます。呼び方は営業のスタイルの違いで、法律上の区別はありません。

カフェを開くなら、資格より先に保健所へ

カフェの開業に法令で必要な資格は、食品衛生責任者と、建物全体の収容人員が30人以上なら防火管理者です。どちらも講習で取れて、費用は数千円から1万円台です。手間がかかるのは資格より設備の基準のほうなので、物件を決める前に図面を持って保健所に相談し、そこから逆算して講習の日程を決めるのが確実な順番です。

受講料・手数料は2026年10月24日時点の各協会・自治体の案内で、変わることがあります。手続きの細かい運用は自治体によって違うので、最終的には管轄の保健所・消防署で確かめてください。

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