デロンギのマグニフィカS(ECAM22112)でもカプチーノは作れます。ただし、ボタンを押せばミルク入りのカップが出てくるわけではありません。本体の横にある「ミルクフロッサー」で、自分で牛乳を泡立てる方式 です。
編集部にあるのもマグニフィカSのECAM22112Bです。正直に書くと、ふだんはエスプレッソ専用になっていて、ミルクフロッサーはほとんど使っていません。そこで、デロンギ公式の取扱説明書(以下、取説)とFAQを読み直し、牛乳の泡立ちを調べた研究と照らし合わせて、泡立てる手順と泡立たないときの確かめ方をまとめました。
※情報は2026年9月時点のものです。ページ番号はECAM22112の日本語取扱説明書(デロンギ公式PDF) のものです。
この記事の結論
マグニフィカS(ECAM22112)のカプチーノは、エスプレッソ約30mLを先に淹れ、よく冷えた牛乳をミルクフロッサーで60〜65℃まで泡立てて、フォームミルク約120mLを注いで作ります。 泡立たないときに公式が挙げる原因は4つです。
手順 :エスプレッソ抽出 → 牛乳をジャグの1/3〜1/2 → 予熱 → 空ぶかし → 先端を浸けてスチーム → 60〜65℃で止める
泡立たない4つの原因 :牛乳(鮮度・温度・種類)/ジャグの形/フロッサーとノズルの詰まり/Oリングの破損
牛乳 :泡の量を決めるのは乳脂肪よりたんぱく質 。成分無調整の牛乳は、泡を増やすためではなく、きめ細かさとコクのために選ぶ
手入れ :泡立てるたびに、水の中でスチームを約10秒出してフロッサーを洗う
目次
デロンギ マグニフィカSのカプチーノは「手動の泡立て」で作る
マグニフィカSのECAM22112は、ミルクを自動で注ぐ機種ではありません。本体の左側にあるミルクフロッサーから蒸気が出るので、ミルクジャグに入れた牛乳に先端を浸け、温めながら泡立てます。泡の量や温度を自分で調整できる反面、道具と牛乳の条件で仕上がりが変わります。
カプチーノとカフェラテの分量
取説のレシピでは、カプチーノはエスプレッソ約30mLに、フォームミルク約120mL を注ぎます(p.22)。カフェラテにするなら、泡を少なめにして、温めた牛乳(スチームミルク)を多めに注ぎます。2つの違いはカフェラテとカプチーノの違い で詳しく比べています。
用意するもの
道具・材料 公式がすすめる条件 出典 ミルクジャグ 口径が小さく深め。使う牛乳の倍の容量がある、厚手のステンレス製 取説 p.7 (ジャグの補足) 容量250〜400mLで取っ手のある金属製。陶器やガラスは向かない 公式FAQ 牛乳 成分無調整で乳脂肪分3.0%以上の、新鮮でよく冷えたもの。使う直前まで冷蔵庫に入れておく 取説 p.7 濡れ布巾 泡立てた後、ジャグをトントンと叩いて大きな泡を潰すときに下に敷く 取説 p.21
マグニフィカSでカプチーノを作る手順
取説のp.20〜22に分かれて書かれている手順を、カプチーノ1杯を作る順番に並べ直しました。コーヒーが先、ミルクが後 です。
エスプレッソを約30mL抽出する (p.22)
冷えた牛乳をジャグの1/3〜1/2まで入れる 。泡立てるとかさが増えるため、入れすぎない(p.20)
スチームボタンを押して予熱する 。ランプの表示で予熱が終わったことを確かめる(p.20)
空ぶかしをする 。フロッサーを外側に向け、下に空のカップを置き、スチームノブを「I」に回して3〜5秒後に「〇」へ戻す。フロッサーの中にたまった水を抜くための操作(p.20)
先端を牛乳に浸けてから、ノブを「I」に回す (p.20)
泡立てる 。コツは次の見出しで説明する4つ
フロッサーを牛乳に差したまま、ノブを「〇」に戻す 。止める前にジャグを外すと、牛乳が飛び散ってやけどの原因になる(p.20)
スチームボタンを押してスチーム機能を解除する 。操作しなくても約1分で解除される(p.20)
エスプレッソにフォームミルクを約120mL注ぐ (p.22)
スチームを使った直後にコーヒーを抽出すると、トレイに蒸気やお湯が出ることがあります。取説では「異常ではありません」とされています(p.21)。
きめ細かく泡立てる4つのコツ
取説のp.21に書かれている、上手に泡立てるためのコツです。
最初は先端をジャグの側面に寄せる
かさが増えてきたら先端を中央に移し、「キュルキュル」と音が鳴る深さまで差し込む 。泡と牛乳の境目を探すイメージ
ジャグの側面が触れないほど熱くなったら止める 。目安は60〜65℃で、泡があふれる手前
濡れ布巾の上でジャグをトントンと叩いて大きな泡を潰し、円を描くように回す
温めすぎると、表面に膜ができやすくなります。温度の目安は牛乳の温め方 でも解説しています。
使い終わったら毎回やるフロッサーの洗浄
取説は、泡立てたら毎回必ず フロッサーを洗うよう求めています(p.21)。洗わずにいると穴の詰まりにつながり、これは公式が挙げる「泡立たない」原因のひとつです。
毎回 :ジャグに半分ほど水を入れてフロッサーを浸け、スチームボタンを押してノブを「I」に。約10秒後に「〇」へ戻し、最後に布巾で拭く(p.21)
毎日 :スチーム管が冷えるまで2〜3分待ってから、フロッサーを反時計回りに回して下に抜き、続けてスチームノズルも抜く。水洗いして、穴や溝の汚れは爪楊枝などで取る。取り付けるときはOリングをなくさないように注意(p.30〜31)
デロンギのミルクが泡立たない4つの原因と対処
取説のトラブル対処(p.40)と公式FAQで「泡立ちが悪い」原因として挙がっているのは、次の4つです。上から順に確かめるのが早道です。
原因 確かめること 対処 ① 牛乳の鮮度・温度・種類 冷蔵庫から出したてか。開封から日がたっていないか。種類別が「牛乳」か よく冷えた成分無調整の牛乳に替える ② ミルクジャグの形 口が広く浅い容器や、陶器・ガラスのカップを使っていないか 口径が小さく深い金属製のジャグにする ③ フロッサーとノズルの詰まり 穴に固まった牛乳が残っていないか 外して水洗いし、爪楊枝で穴の汚れを取る ④ Oリングの破損・欠け スチーム管のOリングが付いているか、傷んでいないか 付け直す。破損していればデロンギのサポートに相談
① 牛乳の鮮度・温度・種類が合っていない
公式FAQは、牛乳を10℃以下で保存 したものを使うよう書いています。冷たい牛乳をすすめる理由は「冷たいと牛乳を対流させる時間を長くとれるため」です(デロンギ公式FAQ「牛乳について」 )。60〜65℃に達するまでに、泡立てる時間を長くとれるということです。
同じFAQでは「加工乳や低脂肪乳、一度温めた牛乳は、泡立ちがよくありません」とも書かれています。電子レンジで温めた牛乳や、泡立てて余った牛乳を使い回すと泡立ちにくいということです。
② ミルクジャグの形が合っていない
取説がすすめるのは、口径が小さく深めで、牛乳の倍の容量がある厚手のステンレス製です(p.7)。公式FAQも、陶器やガラスの容器は向かないとしています。マグカップで代用しているなら、まずジャグを替えてみてください。
③ フロッサーやノズルの穴が詰まっている
毎回の洗浄を省くと、フロッサーの中に残った牛乳が穴をふさぐことがあります。蒸気の勢いが弱いと感じたら、フロッサーとスチームノズルを外して水洗いし、穴を爪楊枝などで掃除します(p.30〜31)。
④ スチーム管のOリングが傷んでいる・欠けている
検索上位の記事ではあまり触れられていませんが、公式の原因表にはOリングの破損・欠けが挙がっています(p.40)。フロッサーを外して洗ったときに、小さなOリングをなくしてしまうことがあります。付いているか、ひび割れていないかを確かめ、傷んでいるならデロンギのカスタマーサービスに相談してください。
泡立たない原因は乳脂肪分?牛乳の選び方と根拠
ミルクが泡立たない理由として「乳脂肪分が足りないから」と書く記事があります。脂肪が多いほどよく泡立つ、というイメージは根強いのですが、乳の泡を調べた研究を読むと、話はむしろ逆です。
泡の量を決めるのは乳脂肪より「たんぱく質」
牛乳の泡を支えているのは、主にたんぱく質です。乳の泡立ちを扱った総説では、たんぱく質と乳糖は泡を助け、脂肪は泡ができることにも泡が保つことにも不利に働くと整理されています(Huppertz, 2010 )。牛乳を使った実験でも、脂肪は泡立ちに悪影響を与え、特に15〜45℃で強く出たと報告されています(Kamath et al., 2008 )。
ただし、同じ実験では脂肪の悪影響は、ホモジナイズ(脂肪の粒を細かく砕く処理)や超高温での殺菌で弱まるとされています。日本で売られている牛乳は9割以上が超高温瞬間殺菌です(Jミルク )。つまり、スーパーで買う成分無調整の牛乳が「脂肪が多いせいで泡立たない」とは考えにくい、ということです。
それでも成分無調整の牛乳をすすめる理由
では、デロンギが成分無調整の牛乳をすすめるのは間違いなのか。編集部はそうは考えません。先の実験では、脂肪を含む牛乳の泡は気泡が小さい という結果も出ています(その代わり壊れやすい)。カプチーノに欲しいのは、量の多い泡よりも、きめが細かく口当たりのなめらかな泡です。成分無調整の牛乳は、そのために選ぶものです。
公式FAQは低脂肪乳を「泡立ちがよくない」としていますが、研究では脂肪の少ない牛乳のほうが泡の量は出やすいとされます。公式のいう「泡立ち」を、カプチーノに向く細かい泡のことだと読めば、2つは矛盾しません。
ですから、泡立たないときに「もっと脂肪分の高い牛乳に替える」のは順番が違います。先に確かめるのは、冷えているか、開封から日がたっていないか、フロッサーが詰まっていないか です。牛乳の種類による味の違いはカフェラテに合う牛乳の種類 でまとめています。
「牛乳」「低脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」の見分け方
パッケージの「種類別」の欄を見ると、中身の違いがわかります。種類別が「牛乳」のものは、成分を調整していない牛乳です。
種類別 乳脂肪分 無脂乳固形分 牛乳 3.0%以上 8.0%以上 低脂肪牛乳 0.5〜1.5% 8.0%以上 無脂肪牛乳 0.5%未満 8.0%以上 加工乳 規定なし 8.0%以上 乳飲料 乳固形分3.0%以上
出典:飲用乳の表示に関する公正競争規約 、Jミルク
取説がすすめる「乳脂肪分3.0%以上」は、種類別「牛乳」の基準と同じ数字です。
開封後の鮮度と泡立ちの関係
牛乳は保存しているあいだに脂肪が少しずつ分解され、遊離脂肪酸という成分が増えます。この成分は泡立ちと泡の持ちを損なうと報告されています(Ho et al., 2023 )。「開封後何日で泡立たなくなる」という目安は見つかりませんでしたが、雪印メグミルクは開封後は10℃以下で保存し、賞味期限にかかわらず早めに飲むよう案内しています(雪印メグミルク よくあるご質問 )。泡立てに使うなら、開けたての牛乳がいちばんです。
デロンギでカプチーノを作るときのよくある質問
ミルクを先に泡立ててから、エスプレッソを淹れてもいいですか?
取説のカプチーノの手順は、コーヒーを先に抽出してからミルクを作る順番です(p.22)。スチームの直後にコーヒーを抽出すると、トレイに蒸気やお湯が出ることがありますが、取説では異常ではないとされています(p.21)。
泡立てている途中でスチームが止まりました。故障ですか?
3分以上続けてスチームを出すと、安全装置が働いて止まります(p.20)。牛乳の量が多すぎて時間がかかっている場合は、ジャグの1/3〜1/2に減らしてください。
牛乳は何mL入れればいいですか?
ミルクジャグの1/3〜1/2が目安です。泡立てるとかさが増えるためです(p.20)。カプチーノ1杯に使うフォームミルクは約120mLです(p.22)。
マグカップで直接泡立ててもいいですか?
おすすめしません。公式FAQは、容量250〜400mLで取っ手のある金属製の容器をすすめ、陶器やガラスは向かないとしています。
余った牛乳をもう一度泡立て直せますか?
公式FAQでは、一度温めた牛乳は泡立ちがよくないとされています。泡立てる分だけジャグに入れ、残りは冷蔵庫に戻しておくと無駄が出ません。
まとめ:泡立たないときは、脂肪分より先に温度とノズルを疑う
マグニフィカSのカプチーノは、エスプレッソを先に淹れ、よく冷えた牛乳をミルクフロッサーで60〜65℃まで泡立てて作ります。泡立たないときは、牛乳・ジャグ・詰まり・Oリングの順に確かめてください。
成分無調整の牛乳は、泡の量を増やすためではなく、きめ細かくコクのある泡のために選びます。ふだんエスプレッソしか淹れていない人も、冷蔵庫の牛乳で一度試してみてください。
モデルごとの違いや、石灰除去まで含めたお手入れは、本体の記事で詳しくまとめています。
あわせて読みたい
デロンギ マグニフィカSとは|モデルの違い・使い方・お手入れを解説
※本記事はプロモーション(広告)を含みます。 デロンギ マグニフィカSは、コーヒー豆を挽くところから抽出、内部洗浄までをボタン操作で行える全自動コーヒーマシンで...
編集部にあるのも、このECAM22112Bです。
リンク
マシンを使わずに、ハンディの電動フォーマーや鍋でミルクを泡立てる方法はこちらです。
あわせて読みたい
フォームドミルクの作り方とは?道具別のコツと牛乳の選び方を解説
ふわふわのフォームドミルクの作り方を道具別に解説。スチームミルクとの違い、泡立ちをよくする牛乳の選び方や3つのコツまで、専用マシンなしでおうちカフェを楽しむ方法をコーヒーソムリエが紹介します。
牛乳でスマイルプロジェクトに参加しています
コーヒー資格ナビを運営する株式会社アマノートは、農林水産省と一般社団法人Jミルクが推進する「牛乳でスマイルプロジェクト 」のメンバーです。牛乳・乳製品の消費拡大を官民で応援する取り組みで、当メディアではコーヒーと相性のよい牛乳の楽しみ方を発信しています。
牛乳を使ったコーヒーの記事一覧