懐かしさやレトロで独特な雰囲気が魅力の「純喫茶」。香ばしいコーヒーの香りやアットホームな安心感を求めて、世代や性別を超えて憩いの場として楽しまれています。
オリジナルのコーヒーが飲めたり、こだわりの内装で過去にタイムスリップしたかのような時間が過ごせたり魅力がたっぷり。料理がおいしいとSNSで話題のお店も増えてきています。
純喫茶の魅力に気づけば、日々の癒しや非日常体験が味わえるでしょう。
純喫茶について特徴や楽しみ方を解説します。普段カフェばかり行くという人は、ぜひ足を運んでみてください。
この記事の結論
純喫茶は「酒類を出さず、コーヒーを主役にした喫茶店」を指す呼び名です。法律で定義された言葉ではなく、慣習的な呼び方である点がポイントになります。
カフェとの最大の違いは設計思想です。カフェが回転や利便性を重視するのに対し、純喫茶は1杯をゆっくり味わう場として作られています。そのぶん、現金のみ・私語を控える・喫煙可など、独自のルールがある店も少なくありません。
- 純喫茶とは:酒類を出さず、コーヒーを主役にした喫茶店の呼び名
- 法的な定義:ない。慣習的な呼び方
- カフェとの違い:1杯をゆっくり味わう設計か、回転を重視する設計か
- 注意点:現金のみの店が多い/私語を控える店もある/喫煙可の店もある
- 向いている人:淹れ方や豆にこだわった1杯を、静かに飲みたい人
目次
純喫茶とはどんなお店?
喫茶店は聞いたことがあるけれど「純喫茶」といわれてピンとこない人もいるでしょう。普通の喫茶店との違いやカフェとの違いについて気になりますよね。
まずは純喫茶がどのようなお店を表すのか、違いを見ながら確認していきましょう。
純喫茶の定義
純喫茶の「純」は、純粋を意味しています。喫茶店を利用する人は様々な目的で来ますが、純喫茶は純粋にコーヒーを飲むための喫茶店という定義があります。
そのためお店にくるお客様は、お店がこだわるコーヒーやアレンジコーヒーメニューを楽しむために来るのです。ハンドドリップだけでなく、サイフォン式やエアロプレス式で出すコーヒーが楽しめることも。
もちろん純喫茶ではケーキや軽食メニューが用意されている場合が多く、コーヒー以外も楽しめるでしょう。チーズケーキやモンブランなどクラシカルなデザートがいただけるイメージがありますよね。
純喫茶に足を運ぶ際は、マスターこだわりのコーヒーを飲むことをおすすめします。コーヒーに関する深い話が聞けるチャンスもあるかもしれないですね。
喫茶店との違い
一般的な喫茶店では、コーヒーだけでなくソフトドリンクやサンドウィッチなどがメインで楽しめます。純喫茶とは違い、コーヒーメインというよりは軽食やジュースをいただきながら読書をしたり会話を楽しんだりする場所です。
街中でも見かけることは多く、幅広い世代の人に利用されています。会議や打ち合わせなどビジネスの場としてもぴったりでしょう。
カフェとの違い
現代ではおしゃれなカフェや可愛いメニューを提供するカフェが増えていますよね。コンセプトがあるお店もあります。
カフェではランチやアルコールを楽しむことも多く、お店ごとの個性が出るためカフェ巡りを趣味にする人がいるほどです。食事目的で行ったり、写真を撮ってSNSに掲載したりするような目的で利用されます。
カフェは内装や外装にこだわり、キャラクターや個性が魅力ですよね。純喫茶はメニューや雰囲気が似ていることがありますが、カフェは純喫茶とは違う魅力が楽しめるでしょう。
純喫茶・喫茶店・カフェの違い(一覧)
3つの違いを、利用者から見た観点で並べると次のようになります。いずれも慣習的な区分で、はっきりした境界があるわけではありません。
スクロールできます
| 観点 | 純喫茶 | 喫茶店 | カフェ |
|---|
| 主役 | コーヒー | コーヒー+軽食 | 飲食全般・空間 |
| 酒類 | 基本的に出さない | 店による | 出す店も多い |
| 抽出 | ハンドドリップ・サイフォンなど手仕事が多い | 店による | エスプレッソマシンが主流 |
| 滞在 | 1杯をゆっくり | 比較的自由 | 回転を重視する店が多い |
| 内装 | 昭和レトロ・重厚 | 店による | 明るく開放的な傾向 |
| 支払い | 現金のみの店が多い | 店による | キャッシュレス対応が進む |
「純」がつく理由と、制度上の位置づけ
「純」の由来には諸説ありますが、酒類を提供せず、純粋に喫茶だけを行う店を指したという説が広く知られています。かつては酒類を出す業態と区別する必要があったためです。
制度の面では、以前の食品衛生法に「喫茶店営業」という営業許可の区分があり、酒類を提供できない業態として飲食店営業と分けられていました。ただし2021年6月に施行された改正食品衛生法で営業許可の業種が再編され、喫茶店営業は飲食店営業に統合されています。
この統合は、厚生労働省が公表している営業許可業種の解説にも明記されています。飲食店営業の「改正後の変更点」として、「旧第2号の喫茶店営業は飲食店営業の一形態として統合される」と書かれており、あわせて「旧第1号の規定で、飲食店営業の例示として規定されていた業態(カフェー等)は引き続き、飲食店営業の一形態として取り扱う」とされています。喫茶店もカフェも、同じ飲食店営業の中に置かれたということです。
ちなみに飲食店営業そのものの定義は、「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」です。コーヒーを淹れて出す行為は、店の呼び名にかかわらずここに含まれます。(出典:厚生労働省「営業許可業種の解説」)
つまり現在は「喫茶店」と「カフェ」を分ける法的な区分はありません。純喫茶という呼び名も、あくまで店の性格を表す慣習的なものです。名乗るのは自由なので、実態は店ごとに確かめるのが確実です。
他にはない純喫茶の4つの魅力
カフェや一般的な喫茶店ではなく、純喫茶に行くことでしか味わえない魅力がいくつかあります。独特な雰囲気やコーヒーの世界にはまる人もいるほど奥が深いといえるでしょう。
どのような魅力があるのか気になりますよね。純喫茶でしか味わえない4つの魅力について見ていきましょう。
お店独自のコーヒーが飲める
「お店独自のコーヒーが飲めること」は純喫茶の大きな魅力です。
コーヒーの研究を長年しているマスターが、こだわりのコーヒーを出してくれます。豆の種類や淹れ方はマスター次第なので、他では飲めない唯一の味が体感できるでしょう。
中には自家焙煎の豆を使っているお店もあります。そのお店でしか飲めないコーヒーは大変貴重です。自分好みのコーヒーを探すために純喫茶を巡る人も少なくありません。
昭和レトロの懐かしさが味わえる
「昭和レトロの懐かしさが味わえること」も純喫茶の魅力的なポイントです。
喫茶店は内装がアンティークな家具や照明で満たされているイメージがありませんか?年季の入った椅子やテーブルは、他では味わえない懐かしさを演出しています。
昔のジャズやクラシックがかかる店内は、まさに昭和時代にタイムスリップしたかのような雰囲気が漂っています。懐かしさを求め高齢のお客様も足しげく通うほどです。
マスターや地元の人と交流できる
「マスターや地元の人と交流できること」も純喫茶の魅力といえます。
カウンター席があるスタイルが多く、マスターや常連のお客様との交流がしやすいです。地元の話やマスターこだわりのコーヒーの話が聞ければ、とても貴重な時間になるでしょう。おしゃれなカフェではなかなか交流はしにくいですよね。
思わぬ出会いとなり、新しい世界が開けるきっかけになることもあるでしょう。アットホームでのんびりとした空気が流れていることは、純喫茶を語るうえで外せない魅力です。
自分だけの隠れ家になる
「自分だけの隠れ家になること」も純喫茶ならではの魅力です。
純喫茶は比較的店舗が小さいため、大通りや街の中心部で見かけることは少ないでしょう。雑居ビルの地下や小路沿いにお店を構えている傾向があります。
そのため「知る人ぞ知る」という言葉がぴったりで、人目に付かないですがまるで秘密基地のような感覚が味わえます。読書をしたり考え事をしたり一人時間を満喫したいときにはうってつけです。
自分しか知らない隠れ家はロマンを感じますよね。おしゃれなカフェや大衆向けの喫茶店では味わえない魅力です。
純喫茶に行くときの注意点はある?
魅力たっぷりの潤貴差に訪れる際には、いくつか注意しなければならない点があります。知らないと困ってしまう可能性もあるので、純喫茶に行こうと考えている人は、注意点も確認してください。
支払いが現金のみのお店が多い
純喫茶では支払い方法が限られることが多く、特に現金のみ対応のお店が多数見受けられます。クレジットカードやスマホ決済は対応していない可能性があるため、事前に確認するか必ず現金を持って行くようにしましょう。
たばこのにおいが残りやすい
純喫茶は基本的に喫煙OKのお店がほとんどです。店舗が小さいため、タバコを吸う人がいる場合は煙やにおいが充満している可能性もあるでしょう。まれにマスターがタバコや葉巻を吸っている場合もあります。
煙やにおいが苦手な人は、におい対策をしっかりする必要があります。入り口や窓のそばの席を選んだり、消臭スプレーを持参するなどで対応してください。
私語が禁止のお店もある
「私語禁止のお店があること」も注意が必要です。
マスターの意向やジャズ喫茶のようなコンセプトの店舗では、死後禁止のルールが設けられていることもあります。友人やビジネスで利用しても会話が禁止されてしまう可能性があるでしょう。
その場合はルールはきちんと守り、純粋にコーヒーを楽しむようにしましょう。静けさや緊張感もコーヒーに向き合うためのスパイスになります。
ほかのカフェ業態と比べてみる
純喫茶が自分に合うかは、他の業態と並べて考えると分かりやすくなります。チェーン各店の性格は次の記事で比較しています。
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参考にした情報
純喫茶で新しいコーヒーの世界へ
純喫茶の魅力についてお分かりいただけましたか?
マスターこだわりのコーヒーが飲める純喫茶は、まさに非日常が味わえる魅力的な場所です。どの世代でも楽しむことが可能で、カフェとは違う使い方ができます。
令和時代に昭和レトロが楽しめる貴重な場所です。楽しみ方を見つけて純喫茶で新しいコーヒーの世界に飛び込んでみましょう。