エスプレッソの表面に浮かぶ、きめ細かな黄金色の泡。これがクレマです。見た目を華やかにするだけの飾りに見えて、実はその一杯の状態を映す指標でもあります。
この記事では、クレマの正体と役割、良いクレマの見分け方、そして「出ない」ときの原因まで、コーヒーソムリエの視点で解説します。
※情報は2026年7月時点のものです。
この記事の結論
クレマとは、エスプレッソの表面にできるきめ細かい泡の層のことです。イタリア語で「クリーム」を意味し、正体は豆に含まれる炭酸ガスと油分が高い圧力で水と混ざってできた微細な泡。見た目の飾りではなく、抽出がうまくいったかを映す指標になります。クレマが出ない主な原因は、豆の鮮度・挽き目・圧力・抽出量のいずれかです。
- 正体:炭酸ガスと油分が高圧で水と混ざってできた微細な泡
- 役割:香りを閉じ込め、抽出の状態を示す指標になる
- 出ない原因:豆の鮮度/挽き目/圧力/抽出量
- 豆選び:焙煎から日が浅い豆ほどクレマは出やすい
目次
クレマとは?
クレマとは、エスプレッソの表面にできる、きめ細かい泡の層のことです。イタリア語で「クリーム」を意味します。
正体は、豆に含まれる炭酸ガスと油分(コーヒーオイル)が、高い圧力で水と混ざり合ってできた微細な泡です。エスプレッソマシンは9気圧前後という強い圧力で抽出するため、通常のドリップでは生まれないこの層ができます。
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クレマがあると何が変わる?
クレマの役割は、大きく3つあります。
- 香りを閉じ込める:ふたのように働き、揮発しやすい香り成分を逃がさない
- 口当たりをなめらかにする:油分を含むため、とろりとした質感が生まれる
- 温度を保つ:小さなカップでも冷めにくくなる
興味深いのは、クレマ自体はかなり苦いということ。飲む前にスプーンで混ぜて全体になじませると、香りが立ちつつ苦味の角も取れます。イタリアでバリスタが軽く混ぜてから出すのは、このためです。
良いクレマの見分け方
クレマは「あるかないか」ではなく、色・厚み・持続時間で状態を読みます。
スクロールできます
| 状態 | 良いクレマ | よくないクレマ |
|---|
| 色 | 赤みのある黄金色〜栗色 | 白っぽい/黒に近い |
| 厚み | 3〜4mm程度 | ごく薄い/泡が粗い |
| 持続 | 2〜3分は消えない | すぐ消える |
| 質感 | きめ細かく均一 | 大きな気泡が混じる |
色が白っぽければ抽出が速すぎ(粉が粗い・量が少ない)、黒っぽく焦げた色なら遅すぎ(細かすぎ・詰めすぎ)のサインです。クレマは、抽出の答え合わせをしてくれます。
クレマが出ない4つの原因
「まったく泡が立たない」場合、原因はほぼ次のどれかです。
- 豆が古い:炭酸ガスが抜けているとクレマの材料がない。もっとも多い原因
- 挽き目が粗い:圧力がかからず、お湯が素通りしてしまう
- 粉の量が少ない/詰め方が甘い:同じく圧力不足になる
- 浅煎りすぎる:ガスも油分も少なく、クレマができにくい
特に1番目は決定的です。焙煎から1か月以上経った豆では、どれだけ技術があってもクレマは出ません。焙煎度の考え方は次の記事も参考にしてください。
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マシンがなくてもクレマは出せる?
結論から言うと、本格的なクレマにはエスプレッソマシンの圧力が必要です。ただし、直火式のマキネッタでも、条件を整えれば薄いクレマ状の泡は作れます。
コツは、新鮮な深煎り豆を細かめに挽き、弱火でゆっくり抽出すること。強火で一気に吹き上げると泡は消えてしまいます。マキネッタの使い方は次の記事で解説しています。
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クレマに関するよくある質問
- クレマとは何ですか?
-
エスプレッソの表面にできるきめ細かい泡の層です。豆の炭酸ガスと油分が高い圧力で水と混ざってできます。イタリア語で「クリーム」を意味します。
- 良いクレマの見分け方を教えてください。
-
赤みのある黄金色から栗色で、厚みが3〜4mm、2〜3分は消えず、きめが細かく均一なものが良い状態です。白っぽければ抽出が速すぎ、黒っぽければ遅すぎのサインです。
- クレマが出ないのはなぜですか?
-
もっとも多い原因は豆が古いことです。炭酸ガスが抜けているとクレマの材料がありません。ほかに挽き目が粗い、粉の量が少ない、浅煎りすぎるといった原因があります。
- クレマは混ぜたほうがいいですか?
-
飲む前に軽く混ぜるのがおすすめです。クレマ自体は苦味が強いため、全体になじませると香りが立ちながら苦味の角が取れて飲みやすくなります。
エスプレッソそのものの特徴や淹れ方は、次の記事で基礎から解説しています。
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まとめ:クレマは抽出の答え合わせ
- クレマは炭酸ガスと油分が圧力で乳化してできた泡
- 香りを閉じ込め、口当たりをなめらかにし、温度を保つ
- 色・厚み・持続時間で抽出の良し悪しが読める
- 出ないときは、まず豆の鮮度を疑う
次にエスプレッソを飲むときは、口をつける前に泡の色と厚みを見てみてください。その一杯の背景が見えてきます。